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ガラス製品の撮影術|映り込みと白飛びを抑える

ガラス瓶やグラスの撮影は、拡散バックライト、ダーク/ブライトフィールド、フラッグとレフによる映り込み制御がカギ。部屋が映り込んだ写真も背景の削除と切り抜きで立て直せます。

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ガラス製品の撮影術|映り込みと白飛びを抑える

ガラスは、いつものルールが通用しません。ワインボトルや美容液のスポイト、ロックグラスにふだんの商品照明を当てると、待っているのは大混乱です。白く飛んだ光の塊、消えてしまうエッジ、そして商品の中に浮かぶ、自分と三脚のゆがんだ小さな肖像。Tシャツや陶器のマグをきれいに見せてくれるセッティングが、透明な被写体に対しては全力で足を引っぱります。

解決の糸口は、考え方を切り替えることです。ガラスそのものを照らすのではなく、ガラスのまわりを照らします。透明な商品はエッジと映り込みで形が決まるので、撮影者の仕事は、そこに何を映すかをコントロールすることです。これが腑に落ちた瞬間、ガラスは撮影リストで一番やっかいな被写体から、一番手ごたえのある被写体に変わります。

この記事では、ボトル・コスメの容器・グラス類に使える基本のライティング、自分が映り込まないようにするコツ、そしてリビングの半分がガラスに映ってしまったときの対処法を順に見ていきます。

なぜガラスは通常の商品ライティングを壊すのか

原因は、2つの物理的な性質にあります。

透明性 — 光の大部分はカメラに跳ね返らず、ガラスをそのまま通り抜けます。正面から当てた光はボトルの後ろの背景を照らすばかりで、ガラス自体は薄く、形のないまま残ります。

鏡面反射 — ガラスの表面は、実質的に曲がった鏡です。部屋にあるランプ、窓、白い壁、そして人間まで、すべてがゆがんだ姿で何重にも映り込みます。ほかの商品では頼りになる大きなソフトボックスも、ガラスの上では、ラベルの上に押しつけられた硬い白い長方形になってしまいます。

どちらへの対処も原則は同じです。明るい、あるいは暗いエッジで商品の形を描き、映り込みは一つ残らず「自分が意図して置いたもの」として扱います。

まずは拡散させたサイド光とバック光から

ガラス撮影の主力になるのは、商品の後ろや横から、しっかり拡散させた光を当てるセッティングです。

ディフューザー越しのバックライト — ボトルの後ろにディフュージョンパネルか大きな白い布を置き、その向こうからライトを当てます。液体が発光したように輝き、シルエットが締まり、ラベルの文字も読めるまま残ります。

拡散させたサイド光 — 横から斜めに入る柔らかい光が、ジャーやタンブラーのエッジに沿って長くきれいなハイライトを描き、正面を白飛びさせずに立体感を出します。

ディフューザーは大きく、近いほどハイライトはなめらかになります。サイズと距離がなぜここまで結果を変えるのかは、硬い光と柔らかい光の解説をご覧ください。

ディフュージョンパネル越しに逆光を当てたガラスボトル。暗い背景に対してエッジが光っている様子

ダークフィールドとブライトフィールド:エッジを選ぶ

ガラスの定番ライティングは大きく2種類あり、その名前は背景の状態を表しています。

ブライトフィールド — 明るく照らした白い背景の前にガラスを置きます。商品は白地に、暗くシャープな輪郭として写ります。透明なボトルやグラス類のクリーンなEC用カットに最適で、白背景が求められるマーケットプレイスの出品画像とも相性が良い方法です。

ダークフィールド — 背景は黒にして、フレームのすぐ外に置いた細長いライトでガラスの側面をなめるように照らします。商品は黒地に、明るく光るエッジとして写ります。スピリッツやハイエンドなスキンケアで見かける、陰影の効いた高級感のある表現です。

どちらが「上」ということはありません。ブライトフィールドは透明感を、ダークフィールドはドラマ性を売ります。時間があれば両方撮っておきましょう。切り替えに必要なのは、たいてい背景の入れ替えとライト2灯の移動だけです。

フラッグ、レフ板、そしてボトルに自分を映さない工夫

ここからは細部の詰めです。余計な映り込みは、安上がりな道具でコントロールできます。

  • 黒フラッグ — フレームのすぐ外に置いた黒いカードが、不要な明るい映り込みを消し、ガラスのエッジに輪郭となる暗いラインを与えてくれます。
  • 白いレフ板 — その逆で、狙った位置にだけ、コントロールされた明るいハイライトを足せます。
  • カメラの位置 — ガラスがレンズをまっすぐ映し返す高さから、少し上か下にずらして撮ります。あるいは大きなカードに穴を開け、その穴越しに撮れば、ガラスに映るのは自分ではなくカードになります。

動かすときは、ほんの少しずつ。見るのはライトではなく、ガラスです。これは磨かれた金属を撮るときとまったく同じ作法で、ジュエリー撮影ガイドでも同じテクニックが登場します。シルバーのリングは、要するに、態度のそっくりなとても小さい鏡だからです。

部屋じゅうがガラスに映り込んでしまうとき

フラッグを使っても、ガラスは雑多なものを集めたがります。シーリングファン、窓枠、背後のオレンジ色の壁。散らかった部屋は散らかった映り込みになり、どんなトリミングでも救えません。

対処は2段階です。まず、できるかぎり無地の空間で撮ること。背景紙、無彩色の壁、片づいた周囲。そうすれば、ガラスの映り込みは「何かが写っている」ではなく、なめらかなグラデーションになります。

次に、背景をデジタルで差し替えること。撮った写真をremover.bgにアップロードすれば、AIが商品をきれいに切り抜きます。あとはエディターで、純白・ブランドカラー・写真背景など好きな背景に配置するだけです。仕上げにリアルな影を足せば、ボトルは浮かずに新しい面へ着地します。しっかりライティングしたヒーローカットが1枚あれば、ストアに必要な背景のバリエーションはすべてそこから作れます。

清潔な白背景に切り抜いたコスメのジャーと、柔らかくリアルな影

ひとつだけ正直にお伝えすると、背景の差し替えで直せるのはガラスの向こう側であって、表面に映り込んだものではありません。撮影スペースを片づけておくべき理由が、これでもう一つ増えました。

まとめ:映り込みは選び取るもの

映り込みそのものが作品になることもあります。香水瓶を横切る窓の柔らかなグラデーション、ウイスキーグラスを鏡のように映す天板。こうした映り込みは、意図的で上質なものとして伝わります。目指すべきは映り込みゼロではなく、偶然の映り込みゼロでした。

ですから、照らすのは面ではなくエッジ。ブライトフィールドかダークフィールドかは意図して選ぶ。いらないものはフラッグで消し、ほしいハイライトはレフで足し、自分はボトルに映らない。それでも部屋がフレームに忍び込んできたときは、きれいな切り抜きと新しい背景が撮影を救ってくれます。

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