クラフトフェアの看板・POP|商品写真から作る
プライスカード・商品タグ・バナー・QR看板を商品写真から。300 PPIの意味、厚紙の坪量、2メートル先から読める文字サイズまで解説します。
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マーケットの出店の勝負は、2メートルの距離で決まります。お客様がそこに立ったとき、もう一度足を止めてもらえるかどうか——その判断材料になるのが、並べた看板・POPです。手書きのプライスカードは3枚目までならうまくいきます。そのあたりでペンがかすれ始め、数字の書き方もそろわなくなります。印刷したカードならその問題は消えますし、素材はもうスマートフォンの中にあります。
ネットショップ用に撮った写真は、そのまま看板・POPの素材になります。木のテーブルに置いたマグカップ、散らかった机の上のピアス。こうした背景は出品用のサムネイルなら問題ありませんが、紙になると途端に厳しくなります。家庭用プリンターはインクをにじませ、価格の数字は木目に溶けて読めません。商品を切り抜き、単色の背景に載せる——同じ写真が、厚紙にくっきり刷り上がります。
ここでは、作り手の多くが必要とする4点を扱います。プライスカード、商品タグ、出店用のバナー、そしてQR看板です。
本当に効いてくる数字はひとつだけ
自作の看板・POPがつまずくのは、たいてい印刷の解像度です。画面は多少の粗さを許してくれますが、紙は許してくれません。写真印刷の実務上の基準は、仕上がりサイズで1インチあたり300ピクセル。4x6インチのカードなら300 PPIで約1200x1800ピクセル、4x4インチのテントカード1面なら1200x1200ピクセルが必要です。
デザインに入る前に寸法を確認してください。スマートフォンのカメラはこれよりはるかに大きく撮れるので、思い切ってトリミングしても余裕が残ります。できないのは、Webサイトから拾ってきた横600ピクセルの画像をカード幅まで引き伸ばすことです。眠くて灰色っぽい仕上がりにしかなりません。
商業印刷の現場から借りておきたい習慣が2つあります。断裁する予定があるなら、背景色をカードの端から3mm(0.125インチ)はみ出させておくこと——裁断機は必ず少しずれます。そして文字は仕上がり線から5mm内側に収めることです。
単色に載せた切り抜きが、きれいに刷れる理由
インクはピクセルと同じようには振る舞いません。写真の背景には微妙な階調が何千と含まれていて、家庭用インクジェットはそれを網点の重なりとして再現します。その結果、縞が出たり、紙がインクを吸いすぎたりします。切り抜きの後ろに敷いた単色なら、塗りはひとつだけ。均一に乗り、上に置いた文字のコントラストも段違いに良くなります。色は淡いか中間調に抑えてください。彩度の高い濃い色はインクを大量に使い、乾きも遅くなります。
remover.bgで背景を削除すれば切り抜きが手に入り、エディターでブランドに合わせた単色をその後ろに敷けます。商品が浮いて見えるときは影を足しましょう。どこまでが自然でどこからがやりすぎかは、自然な影を付ける方法で解説しています。別のソフトで組んだカードに商品を載せるなら、代わりに透過PNGで書き出します。そちらが向いている場面は背景を透過したPNGを作る方法にまとめてあります。
背景色は2色だけ決めて、すべてのカードで使い回してください。同じものが繰り返されることが、出店をブランドらしく見せます。
4点それぞれのサイズ
- テントカード(三角POP) — 業界共通の規格はありませんが、4x6インチと4x4インチの折り面がよく使われます。落とし穴は展開したときの1枚の大きさです。テントカードは2〜3面に底のフラップが付くので、4x6でも広げれば1フィートをかなり超えます——公開されている3面テンプレートのひとつは、14インチを少し上回ります。実際に作るテントのテンプレートをダウンロードし、展開サイズが手持ちの用紙に収まるかを先に確認してください。底フラップのない2面のデザインなら、レターサイズやA4に収まるものもあります。
- 商品タグ — 1枚の用紙に何枚か並べて印刷し、切り分けます。2x3インチのタグなら600x900ピクセル前後が目安です。
- 出店用バナー — これは印刷会社に発注しましょう。通路をはさんで見るバナーは、手元で見るカードほど高いPPIを求められません。
- QR看板 — コードは大きく、コントラストは高く、白かごく淡い色の上に置きます。スマートフォン2台で読み取りを試してください。
2メートル先から読める文字
看板業界には経験則があります。大文字の高さ1インチで、無理なく読める距離はおよそ10フィート。2メートルは6フィート強なので、価格の文字は3分の2インチほどということになります。切り上げて4分の3インチ、18〜20mmにしておけば、斜めから見ても、光の条件が悪くても読めます。商品名はもう少し小さくてかまいません。素材や取り扱いの注意、作り手のストーリーは、身を乗り出さないと読めないくらい小さくても大丈夫です——そこで会話が始まります。

価格には太めのサンセリフを1書体だけ使い、数字に筆記体は使わないでください。
用紙とプリンターの話
看板・POPとチラシを分けるのは厚紙です。しかもこの点では、家庭用プリンターの性能差が思っている以上に大きく出ます。よく使われているインクジェットのいくつかは、どちらのトレイでも105 gsm程度までとされています。背面のストレート給紙や1枚差しの経路を持つ機種で200 gsm前後、それより厚い用紙を通せるのは一部の写真プリンターだけで、多くはメーカー純正の用紙に限られます。しかもこの数値は、普通紙での話です。推測せずに使っている機種の仕様表を確認し、厚い用紙は1枚ずつ送ってください。

テスト用に1枚だけ刷って、屋外に持ち出し、6フィート離れて見てください。テントの生地の下では色が変わります。室内で濃く見えたカードも、白いガゼボの下では平坦に見えます。
次の出店に向けて
仕上がったカード、切り抜きのファイル、そして2色のカラーコード(HEX)を、ひとつのフォルダーにまとめておいてください。次の出店では、新しい商品が増えても、写真を1枚差し替えて数字を書き換えるだけで済みます。同じ切り抜きは、イベントの合間に出品用の画像としても使えます——売れるEtsy商品写真の撮り方と、プリントオンデマンドの画像準備のメモも参考にしてください。プライスカードは必ず2枚ずつ予備を刷っておくこと。毎回、何かしら雨に濡れます。


